REDLINE -ライカ購入は越えてはいけない線ですか?-

カメラが趣味なのでそのことについていろいろと・・・

NOKTON Classic 35mm F1.4 MC VM "MapCamera 25th Edition"という限定レンズについて その2

その1の続き
garp3.hatenablog.com

いろいろ買うにあたって思った事があったんで書き連ねてみます。

 

< 限定品のメリット&デメリット@コスト面 >

さて、レンズの仕様という意味では、販売実績が十分な既存製品なので信頼できるわけです。

限定とした場合のメリット&デメリットってどんなものでしょうか?

まず、一番重要な、コスト面で考えてみましょうか。

 

マップカメラでの販売価格で、通常版Ⅱ型限定版Ⅰ型の定価は以下の通りです。
※税込み価格

 

通常版Ⅱ型:レンズ本体 81,000円 + LH-6 6,480円 = 定価 87,480円
     ※実売価格の合計:70,820円

限定版Ⅰ型:レンズとフードセット販売 99,800円

 

単純に考えて、定価で12,320円の差があります。

実売価格差で28,980円の差があります。

約3万円の差ですか・・・通常版Ⅱ型でOKな人にとっては、
あと5千円出せば、差額でCOLOR-SKOPAR 35mm F2.5 PII VMぐらいは買えちゃいますね!(35mm買ってさらに35mm買い足すかはおいといて・・・)

 

価格がUPする要素(定価で12,320円の差はどんなものが考えられるでしょうか。

・限定版という事でフードがセットになった特別なパッケージ
・材質を一部真鍮に変えたことによる材質の差、工程差、もろもろの製造ライン差
・色を変えたこと、限定の外見のフードも作る事でのコストUP
・メーカー側は不具合、初期不良、諸々の小ロット対応を求められるコストも上乗せ
・マップカメラ側も利益が出る範囲での小ロット発注となった事での価格上昇
・即完売しなくても財務に影響がない範囲の利益率かつ価格の商品

 

思いつく範囲ではこんな感じですが、実際のところどうなんでしょうかね~。

限定レンズに1万円(91,000円)、限定フードに2320円(8,800円)の追加の価値があると判断出来たら買ってOK(メリット)という事なのだとは思います。

価格差に納得できない場合は、限定品の定価販売はデメリットという事ですね~。

正直、価格の納得って、レンズに対してどのような価値を求めているかなので、回答は個人毎の心の中にしかなさそうですね。

 

■要点
 コスパでは、考えちゃダメだよ、限定品

 

< 限定品のメリット&デメリット@レンズ選択 >

今回はマップカメラさんの25周年という記念でアイテムを作られたわけです。

限定品を作るとなった場合には、販売する際の想定価格から

逆算して製品を選んだはずですが、どういう基準で選ばれたのか考えてみましょう。

 

限定品のレンズ候補を選ぶ基準としてはこんな感じかな?

・距離計連動として使う場合に使い勝手の悪い望遠、超広角は除外
・いつも使える焦点距離(35mm/50mm)
・暗くない大口径な商品
・買ってもらえるギリギリ価格として10万円を下回ろう(←たぶんココ重要

 

上記の条件だったと仮定して、今あるレンズのラインナップから見てみましょう。

1.35mm/50mmのレンズ

 NOKTON classic 35mm F1.4 SC VM
 NOKTON classic 35mm F1.4 MC VM
 NOKTON 35mm F1.2 Aspherical II VM
 ULTRON 35mm F1.7 Vintage Line Aspherical VM
 ULTRON 35mm F2 Aspherical Vintage Line VM
 COLOR-SKOPAR 35mm F2.5 PII VM

 NOKTON 50mm F1.1 VM
 NOKTON 50mm F1.2 Aspherical VM
 NOKTON 50mm F1.5 Vintage Line Aspherical VM
 HELIAR 50mm F3.5 Vintage Line VM

 

2.10万円以上を除外

 定価が10万円を超える
 NOKTON 35mm F1.2 Aspherical II VM
 ULTRON 35mm F1.7 Vintage Line Aspherical VM
 NOKTON 50mm F1.1 VM
 NOKTON 50mm F1.2 Aspherical VM
 NOKTON 50mm F1.5 Vintage Line Aspherical VM
 このあたりはまず除外・・・

 

 専用フードつけたら定価10万円超える
 ULTRON 35mm F2 Aspherical Vintage Line VM
 も除外・・・

 

3.暗くない大口径な商品(F値が大きい商品を除外)

 おそらく、F値が大きい商品は好まれないので
 COLOR-SKOPAR 35mm F2.5 PII VM
 HELIAR 50mm F3.5 Vintage Line VM
 の2つも除外

 個人的には、COLOR-SKOPAR 35mm F2.5 PII VMも面白いとは思うけど、
 限定って言われて喜んで買う製品か?といわれると、ちょっと・・・

 

 この時点で検討できるレンズが
 NOKTON Classic 35mm F1.4 SC/MC VM
 のみとなりましたねぇ・・・ 

 

NOKTON Classic 35mm F1.4 VMを選んだ価格としての必然性もあると思いますが、
レンズの性能をあらためて思い返してみるとF1.4と使いやすく小型で常用可、
使う上で(たぶんおそらく)不満も少ない
隙が少ない文句が出にくいアイテムかもしれません。
記念商品として選ばれる理由は十分にありますね。

 

個人的には、クラシカルなテイストかつ、中々買うことを躊躇う
 NOKTON 35mm F1.2 Aspherical II VM
 ULTRON 35mm F1.7 Vintage Line Aspherical VM
 NOKTON 50mm F1.1 VM
 NOKTON 50mm F1.5 Vintage Line Aspherical VM
あたりで出してほしかったなと思います。

でも、定価が高いので限定品とした場合に売価が16万とか
18万とかなってしまっては買う人あまりいなさそうです。


10万円以下というラインは、限定レンズを販売する上でなんとか即決してもらえる価格のラインかもしれません。

でも、もう少し希少性を高く(50個ぐらいに)して販売とすれば、価格がUPしても売れるでしょう。

ただし、限定品は転売屋(国内・海外に向けて転売する層/投機の意味でレンズを買う層)が買い占めて本当にレンズを使う人まで在庫が回ってこずに販売終了となる事があるので、そういう意味では250個という数量は、即完売とならず、在庫を抱えるリスクと販売価格を抑えるという部分がうまくかみ合ってるかもしれません。

 

レンズは使ってナンボなんで、常用レンズかつ性能良く、手の届く範囲の値段で販売されるという事なので、今回の企画は、一般の購買層に向けて、十分に考えられている企画だと思います。

 

個人的にはもう少しだけ尖った企画を期待したいと思いました。

(次の26周年~30周年でかなうでしょうか?)

・大口径35mmと50㎜の特別色/仕様(ニッケルクロームメッキ/ブラックペイント等)レンズセット
 (NOKTON 35mm F1.2 Aspherical II VM/NOKTON 50mm F1.1 VM or NOKTON 50mm F1.2 Aspherical VM

・独特な鏡胴の35mmと50㎜の特別色/仕様(ニッケルクロームメッキ/ブラックペイント等)レンズセット
 (ULTRON 35mm F1.7 Vintage Line Aspherical VM/HELIAR 50mm F3.5 Vintage Line VM

・ローレット加工が波型の独自なカッコよさがある特別色/仕様(ニッケルクロームメッキ/ブラックペイント等)レンズセット
 (ULTRON 21mm F1.8 Aspherical VM/NOKTON 35mm F1.2 Aspherical II VM/NOKTON 40mm F1.2 Aspherical VM/NOKTON 50mm F1.1 VM or NOKTON 50mm F1.2 Aspherical VM)

焦点距離は同じでも写りが対局となる特別色/仕様(ニッケルクロームメッキ/ブラックペイント等)セット
 (NOKTON 50mm F1.1 VM/HELIAR 50mm F3.5 Vintage Line VM

・超広角3兄弟特別色/仕様(ニッケルクロームメッキ/ブラックペイント等)セット
 (HELIAR-HYPER WIDE 10mm F5.6 Aspherical VM/ULTRA WIDE-HELIAR 12mm F5.6 Aspherical III VM/SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 Aspherical III VM


上記のような少し無茶な系統で攻めてもらいたかった気もしますが、売れなけりゃエライことになるので、NOKTON Classic 35mm F1.4 VMは、無難中の無難ですね。

 

最後は買う人のお手持ちのレンズのラインナップと、お財布の中身、価値観で必要かどうかでメリットとデメリットを判断して買うことになるでしょう。

 

私個人としては、レンズの色に関しては、被写体がカメラ向けられてもあまりに気にしないように黒がいいかなと考えてました。
ブラックボディにブラックレンズ。
これが私の基本方針ではあります。

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でもまぁ、こういう(↑)のもありっちゃアリかなと。
限定品という言葉に惑わされて、買ってもいいかなと(笑)

 

一緒に使おうと思ってる50㎜のレンズも手元にあることですし、
フォクトレンダーお出かけセットの一端を担うレンズとして買っちゃいましょう。

 

ULTRON 35mm F2 Aspherical Vintage Line VMはすでに持ってるんで焦点距離かぶるのがなんとも・・・orz
嗚呼、コスパ悪い・・・というのは置いときましょう限定品なんで!

シルバーなんで、色違うんで!!

 


< 限定品のメリット&デメリット@仕様面 >

限定品の醍醐味、それは通常品との仕様差です。
今回の仕様差はこんな感じ。

2.限定の外見
  ‐シルバークロームの梨地メッキ
  ‐ちりめん塗装のフード
  ‐今回限定の銘板(表記、フードも対象)
3.真鍮鏡胴
4.限定250本
  ‐シリアルナンバーはM/A/P/N/Cがそれぞれ1~50

 

まず、一番大事なのは、シリアルナンバーですかね?(え、違う?!

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今回、M/A/P/N/Cにそれぞれ50個のNoとしているのは、50番以降の番号を喜ぶのは
キリ番、連番ぐらいな物なので、そこを外すという意図でしょうかね。
よく考えたなと思います。
届いたレンズのシリアルが不満あると、商品自体嫌いになってしまいますものね。

今後もこの形式でやってくんだろうなぁ・・・悪くはないけど、もやもやするのも事実(笑)

No01が複数あるってことですものね。
多分、転売屋対策の事も考えての事なので、ま、及第点でしょう。

後は、予約したものが何番が届くか楽しみですね。
発売開始してから40分以内には予約しましたけど、Mが割り当てられることあるのだろうか・・・
多分関係なく梱包されると思うので、どれが届くかランダムなんだろうな。


MマウントのM(MapカメラのMでしょうけど)、NOKTONのNClassicのCだったら個人的にはアタリ
ま、届くのが楽しみですね。

 

次に、真鍮鏡胴ってのも、そういう仕様だよって周りの方に自慢するための仕様ですよねぇ?
通常版が189gに対して、237gと約50gの差で重くなってしまいますね。
Mマウントのレンズに関して言えば、小さくて、軽くて写りが良いのが正義なので、
少し重くなるのはデメリットですが、そこは、満足感で充当するしかないですね。

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やはり、外見の差というのが一番大きいでしょうか。
シルバークロームの梨地メッキというのが、今一ピンとこないですが、
艶消しかつ、経年劣化が少なく、傷なども目立ちにくい加工って事でいいのかな。
ガンガン使うための実用派なのですね。

 

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ちりめん塗装のフードも、カッコいいという面で優位性はある。
他のフードではあまり採用されない仕様かつ個性的でもあるので、まぁ、良いかなと。
問題は、失くした場合に限定フードは代用品の手配が困ることでしょうか。
バヨネットタイプのねじ込み式なので、外すことすら稀となるので、
失くすことはないと思いたい。

 

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銘板(表記、フードも対象)の旧書体、旧ロゴ仕様って書いてありますが、
まぁ、それはわかる人だけでいいのではないかな。
8割程度の人は、フィルター付けるので前の銘板なんてほぼ見えなくなりますし。
フィルター付けない人かつ、気になる人だけのこだわり仕様になると個人的には思います。


うーん、個人的には、ニッケルクロームメッキで・・・みたいな、某NCP仕様で出てほしかったですが、シルバー仕様のレンズって手を出さないので、良い機会なので買ってみようかなって思いますね。

 

限定品、言い訳しやすい、買いやすい(価格はおいとこう)

 

後は、届いてから詳細にみていきたいと思います。
発売は9月下旬との事らしいですが、末日には届くでしょうかね~。

 

■総括
限定品レンズではありますが、通常仕様のⅡ型レンズもあります。

限定品かつシルバー仕様にあこがれのある方にはお勧めできますが、ブラック鏡胴が最高・・・って方、ただ単に35mmが欲しいと思っている方にはコスパ悪いのでお勧めできない商品だなってのが本音にはなります。

ご購入は計画的に~。